猫の下痢は放置していいの?原因・対処法・病院に行くべきサインを徹底解説

猫を飼っていると、日常的に排せつ物のチェックをする機会があります。その中で「いつもより柔らかい」「水のような下痢をしている」と気づくこともあるのではないでしょうか。

猫の下痢は一時的な消化不良のこともあれば、重大な病気のサインであることもあり、原因の特定が難しい場合も少なくありません。

そのため、飼い主が適切に見極め、早めに対応することが愛猫の健康を守るカギとなります。

そこで、今回は、猫の下痢の原因や対処法、病院に行くべき目安を、スコティッシュフォールドと暮らす愛猫スペシャリストの私が詳しく解説します。

猫の下痢とは?正常な便との違い

猫とトイレ

健康な猫の便は、形がしっかりあり、程よい硬さを保ち、艶のある状態が理想です。色は茶色~こげ茶で、強い異臭はしません。

一方、下痢は、便の水分量が増えた状態のものです。すぐに形が崩れたりするものや、柔らかい泥状のもの、完全な水様便など幅があります。

猫の下痢の主な原因6つ

猫の下痢には一時的なものから慢性的なものまで、非常に多くの原因があります。大きく分けると以下の通りです。

  • 一過性の消化不良
  • 感染症
  • ストレス
  • 食物アレルギー・過敏症
  • 病気
  • 原因が特定できない場合

ここでもう少し詳しく見ていきましょう。

①一過性の消化不良

一過性の消化不良は腸に一時的に負担がかかって起こるもので、一般的には、大きな心配はありません。

消化不良は一般的に、フードの急な切り替えや人間の食べ物の誤食、おやつの与えすぎなどの原因で起こります。

②感染症

ぐったりした猫

ウイルス性(猫パルボウイルス、猫コロナウイルス)、細菌性(サルモネラ、カンピロバクター)、寄生虫(回虫、コクシジウム)などが下痢を引き起こします。

特に子猫やシニア猫は免疫力が低いため、重症化する危険があります。

③ストレス

ストレスで毛づくろいする猫

引っ越しや新しい猫との同居開始、飼い主が長時間不在にするなどの環境の変化は、猫にとって大きなストレスとなります。

このような場合に自律神経が乱れて腸の動きに影響し、下痢をすることがあります。

④食物アレルギー・過敏症

特定のたんぱく質や添加物に反応、下痢や嘔吐を繰り返す猫もいます。慢性的に続く場合はフードを見直す必要があります。

⑤病気

動物病院で治療される猫

慢性的な下痢を伴い、長期的な治療が必要となる病気には、炎症性腸疾患(IBD)、膵炎、腫瘍(リンパ腫など)甲状腺機能亢進症などがあります。

⑥原因が特定できない場合

悲しい顔の猫

慢性的な下痢の中には、原因が特定できない場合も少なくありません。

アレルギーが原因と考えてフードを変えても治らない場合、検査をしても問題がはっきり特定できないという場合もあります。

家庭でできる猫の下痢への初期対応5つ

トイレットペーパーと猫

猫の下痢が軽度で、食欲や元気がある場合には、まず家庭で次のような対応をして様子を見ても良いでしょう。

  • フードを切り替えた場合は一旦中止
  • 消化に良いフードを与える
  • サイリウムを与えてみる
  • 水分補給を確保する
  • 下痢止めやおやつは控える

それぞれの対処法について、解説します。

①フードを切り替えた場合は一旦中止

キャットフード

新しいフードが原因の可能性があるので、一旦切り替えを中止して、元のフードに戻して様子を見てあげましょう。

②消化に良いフードを与える

ウェットフードを食べる猫

動物病院で販売されている「胃腸ケア用フード」や、「消化器サポートフード」などの療法食に切り替えてみると改善される場合もあります。

ただし、療法食は特定の栄養素が調整されているので、必ず予め獣医師に相談しましょう。

③サイリウムを与えてみる

皿に盛られたサイリウム

サイリウムは、オオバコという植物の種子からとれる食物繊維の一種で、下痢にも便秘にも効果があるとされています。

下痢しがちな場合にサイリウムを与えることにより、水分が吸収されて通常便に戻る場合があるので、試してみてもいいでしょう。

ただし、サイリウムは、与えすぎると逆に便秘になってしまう場合もあります。

使用するときは、獣医師の指導を受けて少量から与えることが大切です。

④水分補給を確保する

水を飲む猫

下痢が続くと脱水症状のリスクが高まるので、新鮮な水を用意しましょう水は複数個所に置くなど、猫が気軽に飲めるようにすることも必要です。

また、日頃あまり水を飲まない猫には、ウェットフードを与えるのが効果的なこともあります。

⑤自己判断での下痢止めやおやつは控える

薬と猫

下痢の中には、止めてもいいものと止めてはいけないものがあるので、下痢止めを持っていても、自己判断で猫に与えるのは控えましょう。

また、食べ物を消化するのは負担がかかるので、一時的にフード以外のものは与えず、腸をなるべく休ませるようにしてあげてください。

猫の下痢で病院に行くべきサイン

トイレの隣で座る猫

猫の下痢は軽くても、場合によっては命にかかわることもあります。次のようなサインがあるときは、速やかに動物病院を受診するようにしましょう。

  • 水のような下痢が半日以上続く
  • 血便や黒っぽいタール状の便が出る
  • 下痢に加えて嘔吐がある
  • 食欲が全くない、ぐったりしている
  • 子猫や高齢猫で下痢が続く
  • 繰り返し下痢をしている

特に、子猫の場合は、わずか数日の下痢で命を落とすことがあるため、自己判断をせず早めに受診することが大切です。

猫が下痢のときに動物病院で行われる検査と治療の例

猫の下痢で動物病院を受診した場合の検査や治療法の例を紹介します。

愛猫の状態や病院によって内容は異なりますが、参考にしてください。

検査方法

エコーを検査をされる猫

動物病院では、一般的に、便検査や血液検査、エコー検査などを行い、猫の下痢の原因を特定します。

場合によっては、内視鏡を用いたり、生検をすることもあります。

治療方法

動物病院で
点滴される猫

猫の下痢の治療は原因によって異なりますが、主に以下の方法があります。

  • 脱水防止のための点滴
  • 抗生物質(細菌性の下痢の場合)
  • 駆虫薬(寄生虫感染の場合)
  • 整腸剤や消化酵素の投与
  • 食事療法(療法食への切り替え)の指導

慢性的な下痢の場合は、炎症性腸疾患や腫瘍の可能性が疑われ、長期的な治療が必要になります。

猫の下痢が治らないときは漢方薬という選択肢も

猫の慢性的な下痢の場合には、漢方薬を用いた治療が有効な場合があります。

炎症性腸疾患や腫瘍が疑われる場合には、副作用が強い薬が使われることもありますが、漢方薬による治療を並行することによって、そのような薬の減薬が可能なこともあります。

近年、動物に詳しい漢方薬局や、漢方治療を取り入れている動物病院で相談できる場合があります。

慢性的な下痢が猫にある場合には、漢方薬による治療も選択肢のひとつになってきているといえるでしょう。

ただし、漢方薬による治療を行うには、前提として、愛猫について細かな状況まで把握している必要があります。

便の状態や匂いだけでなく、食欲や体調面まで、きめ細かく医師や薬剤師に情報提供できるようにすることが大切です。

愛猫の下痢を予防するためにできること4つ

では、猫の下痢を予防するためには、どのようなことができるでしょうか。

  • フードの切り替えはすこしずつ
  • 異物を食べさせない工夫
  • ワクチンや駆虫を徹底する
  • ストレスを減らす

愛猫に辛い思いをさせないためにも、飼い主さんができることを紹介します。

フードの切り替えは少しずつ

フードボウルと猫

新しいフードを与えるときは、いきなりすべて取り替えないようにしましょう。一般的には、7~10日ほどかけて徐々に切り替えます。

胃腸が弱い猫やシニア猫の場合には、2週間から1か月ほどかけて切り替える必要があります。

異物を食べさせない工夫

ボールで遊ぶ子猫

人間の食べ物や観葉植物、おもちゃなど、有害なものを愛猫が誤食しないように注意することも必要です。

観葉植物の中には、猫にとって毒性があるものもあります。日頃から猫の手が届かない場所に置いておくなど配慮しましょう。

また、ボールやネズミの形をした小さなおもちゃを誤飲して下痢を招くことも少なくありません。

愛猫がおもちゃで遊んでいるときには、なるべく目を離さないようにしましょう。

ワクチンや駆虫を徹底する

ワクチンを打つ子猫

感染症や寄生虫が原因となる下痢を防ぐには、ワクチンや駆虫を徹底することが大切です。特に子猫や外に出る猫は、感染症や寄生虫のリスクが高いため、定期的な予防が欠かせません。

ストレスを減らす

仲良くしている2頭の猫

愛猫にとって安心できる環境を整え、急な変化を避けることが腸の健康を守るために欠かせません。新しい猫をお迎えしたときは、いきなり会わせたりせずに、徐々に存在を知らせるなどの配慮をするようにしましょう。

また、寒さや運動不足も猫にとってはストレスになります。特に寒い季節は部屋を暖かくして、毎日猫と遊んであげる時間を確保すると、猫のストレスを減らすことができるでしょう。

まとめ

遊んでいる猫

猫の下痢は「一時的な消化不良」から「命にかかわる病気」まで幅広い原因が考えられます。

下痢が軽度で元気や食欲があれば、家庭での様子見も可能ですが、脱水や血便があり、ぐったりしている場合は早急に受診が必要です。

また、予防のためには、フードの管理、ストレスの軽減、定期的な健康管理が大切です。

日々便の状態を観察して、いざというときに備え、愛猫の健康を守りましょう。

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